今の議論では、俗に言う隠れ借金を含めて議論しました。
隠れ借金問題とは何かを話します。 地方交付税特別会計を例にとります。
地方交付税というのは基本的には国が特別会計に金を出し、特別会計が地方に支給している。 仕組みが難しいから、見ながら聞いてください。
この仕組みは覚える必要ありません。 隠れ借金が多いのだよということだけ理解してください。
国の財政とは基本的には税金でまかなうべきなのですが、それでは足りないので国債を発行しているんです。 ところが小泉さんが2002年度新規国債発行を年間xx兆円に決めちゃったわけですね。
そうすると全体的にお金は足りない。 特別会計に入ってくるお金も足りない。
しょうがないから借金をしなくてはならない。 今は民間からの借入ですが、昔は資金運用部から借りてきた。
資金運用部は名前が変わりましたけど、昔は資金運用部。 資金運用部のお金は郵便貯金と簡保から来ているわけですね。

特別会計の資金運用部からの借金がどんどんどんどん増える。 1994年が6兆円。
99年が30兆円。 2000年がxx兆、2001年末の予想だともう5兆円くらいでした。
すみません。 2002年が実際にいくらだったかチェックしていないんです。
ですけど、何はともあれ、こういう感じで増えていたのですね。 これ、借金の金額ですよ。
どうすればこの借金を返せるか。 地方財政が黒字化しなければ借金返せないですよね。
地方財政、ご存じのように国同様、メロメロです。 現在、そんなに悪い地方財政が黒字化して初めて借金を返してくれるわけです。

これは返してくれっこないですよ、きっと。 地方財政が黒字化するのは大変なことですから。
では、交付税特別会計は借金返せないから資金運用部すなわち郵便貯金に借金を返しませんよというわけにいかんでしょうね。 そうするとやっぱりこれは最終的に国が国債を発行して肩代わりせざるを得ないと私は思いますね。
私は小泉首相の国債のxx兆円枠の話を聞いたとき、「あっ、xx兆円じゃ国全体で必要な資金をまかないきれないな。 交付税特別会計まで充分金がまわらないな。
地方交付税交付金特会は民間借金を増やすな」と思いましたね。 そうすれば国が国債を発行して、特別会計への支出を増やさなくても何とかなりまずから。
国債発行xx兆円枠を守るため、つじつま合わせをするなと思ったわけです。 地方交付税特別会計は第2の国鉄と言われる。
第2どころか国鉄よりもひどい状態。 現在は資金運用部からではなく、民間の銀行から短期の借金をしています。
それも、ものすごい勢いで急増しています。 以上述べてきたようにこれも国債発行と実質的な意味で全く変わらないんです。
ですから国や地方の借金を国債と地方債に限定するべきではありませんね。 マスコミや政治家が注目している借金、すなわち国債、地方債発行だけでなく、このような隠れ借金も大きいのだよということは注意しておく必要があります。
もっとも、こういうふうに指摘しているから「もう隠れ借金」ではない。 「隠れ」という修飾語を削れと財務省の方は言うかもしれませんが(笑)。

それからちょっと前の話で皆さん、忘れたかもしれませんけど、xx兆円の信用保証特別枠っていうのを中小企業のために設けたこともありましたよね。 あれはクレジットリスクを政府が肩代わりしたんですよね。
中小企業が借金を返してくれればいいですが、返済できなければ国の借金になってしまいますね。 これも一つの隠れ借金ですかね。
たしかに財務省のホームページには借入金として百兆円が明記されています。 政府保証債務も明記されています。
ですから財務省の方の言うとおりもう隠れ借金ではないのかもしれません。 しかし世間では国債や地方債の発行残高しか注目しておらず、これらの存在をあまり気にしていないのは大問題ですね。
なにはともあれ国債や地方債の発行額だけでなく、借入金や政府保証額が急速に増えているという点が財政赤字問題の第1点目ですね。 財政赤字問題の第2点目はその借金の仕方ですよね。
実は1998年のxx月に長期金利がポンと0.8%くらいから2.4%くらいまで上がっちゃったことがあるんです。 資金運用部が債券買いオペをやめると発表したら、ポンと金利が上がっちゃったんですね。

そうしたらマスコミを含めて大騒ぎをしました。 長期金利が上がって大変だ。
銀行が国債をたくさん買っていますから、債券価格が暴落すると金融システムが危険だということでした。 そこで何をしたかというと長期債の発行を減らして、短い期限の国債を発行した。
このときのキャッチフレーズがいいんですよね。 「マーケットにやさしいオペレーション」、それから「国債発行の多様化」。
キャッチフレーズは耳に心地よくても、これはいくつかの間題があるのです。 一つの問題としては虫歯の神経を抜いちゃったのと同じ状態になってしまったことです。
財政出動を政治家は要請します。 でも財政出動すると基本的には長期金利が上がっちゃうんですね。
そこで通常ですとマーケットが長期金利上昇という形で、過度の財政出動に歯止めをかけるんです。 景気をよくするために財政出動する。
そうすると長期金利が上がる。 長期金利が上がるということは景気によくないわけですね。
ですから政治家は財政出動するプラスと、それにともなって長期金利が上がってしまうマイナスを勘案するのです。 要するにマーケットのチェックを経て財政出動の金額が決まるのです。

ところが長期債の発行を減らして長期金利が上がらないようにしてしまった。 発行をやめれば、発行額が減りまずから、相対的に長期債が魅力的になり買われる。
値段は上がる。 金利は下がる。
もうこうなっちゃうと財政出動に歯止めがかからないですよね。 「財政赤字は大変な問題だ」と野党が反対したところで、財政出動の歯止めはかからないですよね。
長期金利は上がらないんですもの。 痛くないんですもの。
自民党の某氏が景気対策のために橋をつくれと言ったらば、「いいですよ。 橋をつくりましょう。
でもお宅のせいで長期金利は上がってしまいますよ。 景気、逆に悪くなっちゃうんじゃないですか?いいんですね」と反対出来るのです。
ところが財政が出動しても、ちっとも長期金利が上昇しない。 長期金利が上がってしまうというマーケットのチェックがかからないんで、どんどんどんどん財政出動要請が続いてしまうのですね。
ところで景気が底だと思われるとき、すなわち金利が低いときに民間がどうするかというと、長い債券を発行するわけです。 皆さんも長期金利がものすごく低かったら、xx年か、xx年の固定の住宅ローンを借りますよね。
だから金利が底だと思えばなるべく長い固定金利のお金を借りようとする。 長い債券を発行する。
債券を発行するとは、お金を借りることですけど。 ところが財務省がやったことというのは長期債でなく逆に短期債を発行した。
これは財務省の責任というよりは国民全体がそういう雰囲気になっていたのでしょうがないとは思うんですけど。 債券発行を短くするというのは普通は金利がこれからさらに下がるときにとる行動です。

もうちょっと待てば、さらに安い金利で借りられそうだということで、とりあえず短めに借りておこうというわけです。

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